◇ 神は靈であり, 靈はまた心であるから宗敎は天國を成し遂げた人間の心の中に存在する.

  聖書には, 「私はイスラエルに對しては露のようになる．彼は百合のように花さき．．」 という句節がある （ホセア書１４：５） 「私」 とは神樣であり，「イスラエル」 とは勝利者を意味する言葉である．卽ち，神樣が勝利者に露のように臨むという言葉であり，その勝利者が百合のようにさくという意味である．合同讚美歌にも 「救い主は谷間の百合，明るい夜明けの星，萬民の上に優れなぞらえる救い主」 という句節ある．

  ◇ 救い世は死なない秘訣を論じ，永生學を論ずるようになっている

  「救い主は百合の花」 であると云う讚美歌を每日歌い，聖書に 「露を降らせる勝利者が百合のようにさく」 と記錄されていることをいつも讀みながらこれに氣付く者が居なかった．私は死なない秘訣を科學的に論じている．人が死ぬのは 「罪の値で死ぬ」 と聖書や佛典には記錄されているが，私は其の上に血が腐って死ぬことを論じている．「私という意識」 が欲張れば，血は腐る．

  「私という意識」 がヒステリ－を起こしたり，怒ったりしても血が腐る．血が腐らない秘訣さえ分かれば人は死なないで濟むのである．どうして聖書や佛典に「神樣の心を抱け」. 「自分を常に捨てろ」 と書かれているか．それは 「私という意識」 が操る通りに考えると血が腐るからである．世のなかの科學者はこのような事實を知らない．

  「自分を常に捨てろ」 という言葉は自分の心を常に捨てろという言葉であり，「神樣の中で行え」 という言葉はまさに 「自分の心の中で行なってはならない」 という言葉である．卽ち，自分の心が主張する通り考えるなと言う言葉である．このような話も分からず，上邊だけを嘗めるように聖書と佛典を讀みながら, 道の修練をするという人びとがいるが, まことに情けない人達である.

  私は一生を自分自身と鬪って自分に勝ったものである．自分に完全に勝ったので死なない秘訣が分かってきたのである.考えた通りに血が變わるので神樣の考えを持てば, 神樣の血に變わって腐らない血に變わる.「人は外見通りに行なう」 と言われているが, 平常, 惡い心を抱くと血も惡い血に變わって顔と體は惡い顔と體に變わり, 印象が惡くなる.しかし, 心がけにより, 血が變わるということは新しい眞理であるから, 今日の科學者は知らないのである.

  ◇ 救い主はこの世を天國に變える事が出來る

  「神樣の心を抱け」 と言ったことは神樣は 「永遠の生命(永生)」 の神樣であり，永生の心は神樣の心なので, 永生の確信を持つなら血が神樣の血に變わり, 神樣の顔と體に變わるからである.そして, 死のうと思っても死ぬことが出來ず, 老けたくても老ける事が出來ない體に變わる．

  だから，心掛けによるのである．永生の確信を持つためには，人が神樣の子であるということを知らなければならないし，また，人が神樣になる可能性があるということを知らなければならない．神樣の心を持てば，聖靈に生まれ變わって神樣になるのである．

  聖書には「生命の木の實を食べてこそ救われる」と記錄されているが，神樣の心が，「生命の木の實」であり，「生命の木の實」は聖書の言葉であり，聖書は靈的な言葉である．

  靈的な言葉は神樣の言葉なので，「生命の木の實」 は靈的な果物であり，まさに永生をうける心である．このように「生命の木の實」が何であるかを正確に敎えて吳れる人が本物の救い主である．

  今日まで，この世の中の人びとは靈とは何であるのか，神が何なのか分からなかった．しかし，聖書には確かに「生命が靈である」 事を敎えている．また，「生命は血であり．血は生命である．」 という言葉も記錄されているが，これは正に 「血の作用が心の作用であり生命の根源が心にある」 (箴言4:23) という言葉とも連れ合うのである．卽ち心が靈であるということである．

  心が靈なら心の作用は血の作用なので，血が卽ち靈であるという言葉である．死んだ人の血が死んだ人の靈である．その血は腐って土になるのではなく，生きている子孫の中にある．皆さんの體はまさに先祖の血で作られた體である．

  先祖の靈が皆さんの體の中にあるので，死んだ人の靈が天國に行ったとか, 地獄に行ったとかいうことはでたらめな言葉である．人が死ねば死んだ人の血が子孫の中にあるので，現在，生きている人の血の中には先祖代代の靈が入っているわけである．

  ◇ 宗敎とは心の中に居ます神樣を知ることです

  人間自身を知ることが學問であり，人間の心の中にいらっしゃる神樣を知ることが宗敎である．太初の先祖の神樣とアダムとイブの靈も我われの體の中にある．だから聖書に生まれ變われと言ったのである． 「聖靈に生まれ變われ」 という言葉は神樣に甦れという言葉なので，神樣が魔鬼獄に閉じこめられているということである．

  神樣がその魔鬼獄を壞して釋放されれば，聖靈に生まれ變わったことになる．だから，「私という意識」 が， 魔鬼なので，「私という意識」が靈的な墓であり，その靈的な墓に閉じこめられていた神樣が釋放されて出れば神樣が復活されたことになる．復活という言葉は聖書の言葉であり，聖書の言葉は神樣の言葉であり，靈的なみ言葉なので，神樣の靈の復活を論じたのである．

  4年間神學を勉强して卒業すれば，牧師になって聖書を敎えるとくびに力を入れるが神の定義も知らない者が神學者とは言えない．神學を學ぶには神の定義を正しく知らなければならない． 人に 「聖靈に甦れ] という言葉は「神樣に再び生まれよ」 という言葉であって，神樣でないものに 「再び神樣に生まれ變われよ」 とは言えない．人が神樣であるので神樣に生まれ變われと言ったのである．

  これをきちんと解釋できない者達が神學を敎えると言っているから情けないことである．この世の中に正しい學問が存在するためには自分自身をまさに知らなければならない．自分自身を知らずして正しい學問は成り立たないのである．自分自身がどんな存在なのがを知る前にはそれは學問でもなく，宗敎でもなく，何も無い者である．

  心の中に天國があると聖書には書かれているが，實際は天國が宗敎である．神樣に對する學問が神學であり，正に神樣を知ることが宗敎なのである．今日まで宗敎が無かったし，學問も無かった．人類歷史上, 今, 初めて宗敎が出始め，學問が出來たのである．

  人の心は何であり，體は何なのか．また人がどうして生きているのか，この世の中で生き，死ねば何處に行くのかなどの疑問を抱えている多くの哲學者たちも考えて見たが，正確な回答を提示したものはただ一人もいなかった．だから，人間というものが，どのような存在であるか知らないでいる．人間自體を知らずして，宗敎について言及するということは，ナンセンスである．

  ◇ 宗敎は永遠に生きる人間の心の中に存在する

  宗敎の根本目的は眞理の具現である．だから，眞理であってこそ宗敎が存在するのであり，敎會を建てているからといって宗敎と言えるものではない．眞理と言うものは永遠のものである．だから宗敎というものは永遠に生きる心であり，死ぬ心では宗敎になり得ない．また，天國を成し遂げてこそ宗敎になるが，「天國はここにある．

  あそこにあるとは言えない．あなた方の心の中にある」 (ルカ 17:21) と書かれている．だから宗敎というのは人間の心の中に存在するのが宗敎である．宗敎というのは天國を建でるものなので，神の學問が卽ち宗敎になるのである．神というのは靈であり，靈というのは心なので，心の中に宗敎が存在するという話が眞理である．神が何であるかも知らずして，神學を論ずるということはナンセンスである. *

飜譯:尹金玉 勝師