李氏朝鮮が滅亡する時期と李承晩大統領

李氏朝鮮は1910年日本帝國の强權に因って乙巳保護條約を締結して，28代王であった純宗王を欺后して國が滅びるように仕向けたが，『格菴遺錄』 はこれも豫言し，寸毫も違いなく當て嵌まったのである．

隆四七月李花落ちるに 白狗身の蟬鳴時である 新增李氏 十二年に 流水聲中 人何生か / 末初歌

李朝之亡 何代 四七君王 李花更發 何之年 黃鼠之攝政也  / 末運論

隆熙4年7月に李氏朝鮮が滅びるが，庚戌年の蟬が鳴く季節とあるから夏である．李氏が出て，新たに李王朝の運で12年間長引くが，その時代が流れる水音のように騷がしく過ぎるなら， 人びとはどのように生きて行けようか．李氏朝鮮は何代目の王で滅びるか．28代の王である．李氏朝鮮が再び花をさかせる時は何時であるか，戌子 (つちのえね) 年である1948年である．

解說

隆熙は李朝の最後の王である純宗の年號で，隆熙4年である1910年の夏，7月 (陰曆) に李氏王朝は滅びた．白は五行上で庚を指し，狗は戌年であるから庚戌國恥を指す．水が流れるように君臨した李承晩獨裁政權の壓迫を流れる水に比喩している．李氏王朝の後孫を誇りとして王の座に君臨した李承晩大統領が1948年戊子 (つちのえね) に登場することを指摘した．

二次世界大戰の勃發と日本帝國の敗北

第一次世界大戰の砲彈が消え去らない內に，日本， トイツ， イタリアの軍國主義政權各國は自身の無謀な侵略欲を先立てて，1941年に第二次世界大戰を勃發させた．我國は，すでに日本帝國主義の銃劍に占領されていて，男子は徵用，女子の中には慰安婦として强制連行された者もあり，惜しくも死に至る道をも步まざるを得ない者もあった．

三十六年無住民が 皆爲僧孫不知佛を 日本東出西山沒し 日中變及於世界

午未生光申酉移り 日色發光 日暮昏を 靑鷄一聲 半田落ち 委人歸根落望故に / 末初歌

36年間, 祖國を失い，日本帝國の植民地の民となり，斷髮令で髮は刈られ，その姿形は間違いなく佛弟子のようであったが， 佛弟子とか，佛とは無關係の日びであった．太陽が東から昇って西に沈むが如く，日本の敗色が濃くなっていても，中國を侵略して1937年 (丁丑‥ひのとうし) に日中戰爭を起こし，この戰爭が1941年 (辛巳‥かのとみ) 太平洋戰爭を招く事になった．午未は1942年 (壬午‥みずのえうま) と1943年 (發未‥みずのとひつじ) 新しく生まれた光の如き大東亞共榮圈と銘打った侵略は第二次世界大戰へと擴大したが, 1944年 (甲申‥きのえさる) 1945年 (乙酉‥きのととり) に移ると，繁榮を見せるかの如き日本は斜陽の中で沒落敗戰し，失望の爲に自國に引揚げる事となる．

解說

格菴先生は過去を貫き通す如く，未來に起こる事をも言い てておられるが，1937年 (辛丑‥かのとうし) に日中戰爭を起こしたのも，乙酉年に敗戰することも正確に豫言されたのである．ここで，靑は五行上は乙で，鷄は酉であるから，乙酉年に日本が連合軍に, 白旗を揭げて降參したのである．

大統領に對する豫言

格菴先生は終末に成就することを正確に豫言しながら，特に8．15解放以後の韓國を率いて來た民族の指導者の名を一人一人列擧しながら，歷代大統領を全て的中させる驚くべき豫言をした．何故，格菴先生は前の時代より，近代に關した豫言を詳しくしたのだろうか? 讀者はこの点に對して疑問視するであろう．

老鼠爭龍木子退  (李承晩) 隱然自出牛尾入  (尹譜善)  / 末初歌

木人飛去後待人(朴正熙) 山諡飛來後待人(崔圭夏)      / 世論視

老鼠は庚子 (かのえね) 1960年に李承晩大統領が下野するので尹譜善が大統領になる．朴正熙大統領の後には崔圭夏が大統領になるだろう．第一江山の帆柱としての都笑工は誰か, 世界動亂後の時の全元帥しゃないか. (全斗煥)          / 採芝歌

この橋は誰の橋か，のっ橋である 十五夜の明るい月は月も明るいし明朗なるが我が大將のっ大將 天地手段手にある．(盧泰愚)          / 採芝歌

燈をもって明るくした 魚舟者に再び會って 武陵桃源を訪ねて行くと南海南地視南地大江鐵橋 建設したかな．(金泳三)                / 採芝歌

死中救生元眞理 出死人生信天朴 造次不離架上台 坦坦大路永不變

有形無形豪兩大中 (金大中)         / 採芝歌

死ぬ世の中で生命を活かす最大の眞理, 出ていくと死ぬが入って來ると生きるので，天の人を信じて，身と心と生命全部を任せるのだ．少しでもそこを離れてはいけない．丈夫な大きな道を貫いたので，永遠に變わらない永生の世界を建設する．宗主は正道令で政主は金大中である．

勿盧 徐曺呂金 非運愛國 天運違逆必亡 此書不信英雄自亡 二十九日走者

(趙) 頭尾出田 (申) 亂世英雄       / 初章

徐載弼, 曺晩植, 呂運亨, 金九先生達は天運を受けることが出來なかった愛國者である．天運に逆らうので必ず非運に終わるようになる．この文を不信する人はたとえ英雄であったとしても，自ら滅亡するので愼まねばならない．二十九日は陰曆の小の月，そこに走るという字を合わせると趙氏となり，頭尾出田は申氏を言うので，全て亂世の英雄達は非運の中で死ぬようになる．

解說

格菴遺錄の豫言內容の全てが終末の主人公となる鄭道令 (正道令) を現わす手段として記錄されたと理解するのが適切な解釋だと思う．終末とは新天新地，永遠に死ぬことなく生きて行く世の中をなすために正道令が出現した時点から後をいうのである．言い換えれば，時代が終末打と言うことを正確に現わすために，歷代大統領と政治的指導者達之運命を詳しく豫言したのである. 後に述べるが, 1910年から大韓民國の國運を左右する大事件を詳しく豫言したのも, 正道令が出現する背景となる時點を敎える爲である．*