本物の救い主 

神とは卽ち生命であり，神は永遠の存在であられるから, 神とは永生なさる存在である．

從って，唯一なる神の靈を受けた者は永生するようになっているのである．しかし，それは神だけが永生を授かるのであり，罪人にあっては永生を授かることは出來ない．

罪のあたいで死ぬと聖書にあるから，罪人は死ぬほかないのである．だから 罪人のまま神を信じたからといって天國に行けることではなく，罪人の假面を脫いで神に立ち戾ってこそ救われるのであり，永生を得ることである．

聖書には人が罪人の假面を脫いで神になることを指して 「聖靈に生まれ變わる」 と表現している．

「聖靈に生まれ變わる」ということは,

「再び神になる」 という意味で，それは，神が 「私という意識」 から拔け出して, 釋放されることをいうのである．

救い主は救援論の核心となる 「聖靈に生まれ變われ」とは “ 罪人である人が神に合わせ一つになれ ” と言うことだから 「私」 という罪人の意識を脫いでしまって永遠に死なない神に再び戾って行けと聖書は記錄している．

故に，人を死なないようにする方が救い主であり，罪を滅ぼす能力を持っている方が卽ち天國の主人公なのである．

神の國の主人公は必ず罪を解決する能力を持って現れるようになっているが，單に罪を “ 滅ぼした ” と言葉でいって滅ぼすことの出來るものではないし，言葉で 「信じます」 と言って救いが得られるものでもないのである．

罪を犯すことが出來ない秘訣を正確に敎えて下さる方が救い主であり，罪を滅ぼして心の變化を起こして下さる方がまさに本物の救い主なのである．

ならば，本物とにせ物をどのように見分けるのか？

それは, まさに罪を滅ぼした故に死を滅ぼしたことになるので，死なずに永生を保證して下さることの出來る方こそが本物の救い主なのである．

永生を與える人が救い主，メシア，勝利者である 

これが最も聖書的な “救い主論” であり，最も理に合う話である．

“ 私が救い主である ” “ 私が勝利者である ”と叫んで主張することにより“ 救い主 ”，“ 勝利者 ”になるのではない．

死の權威を瞬間に滅ぼすことが出來る方，人びとを死なないようになさる方こそが救い主なのである．

死の世に進んで行く人を再び救い戾す權能は, 生命の神だけがお出來になるのであって，決して人の能力では出來ないことである．

これは, 一時的な治癒の權能ではない．生命の神が直接おはたらきになるので，體と心が非常に若くなるのである．

この世の中でも實力者が世の中を治めるように, この宇宙も實力者が治めるのである．

實力がなければ, 死なずに生きていながら 「永遠の命(永生)」 を得るという言葉を口から出すことは出來ないのである．今まで實力者がいなかった．實力がなかったので罪を解決することが出來ず人びとは死ななければならなかった．人びとは哀れにも死にかけているが，言葉だけで 「永遠の命を得る」  「救われる」 と叫んでみても何ら成し遂げはしなかった.

ついに，ここにお勝ちになった神が出現され，死の勸威を滅ぼしてしまわれるのでここには死の影が近寄ることが出來ないのである．

“ここで死んだ人がいますか” 「いません．」

“ここに葬式の擔當部がありますか” 「ありません．」

“ここのおじいさん，おばあさんは老けますか”  「若くなります．」

“治らない病氣がありますか” 「ありません．」

ここでは決して死ぬことなどあり得ないのである．

ここに每日出ていた人が突然事故に遭って死んだといえば，そのうわさが廣がって明日からここに出る人が居なくなるのである．

だから，ある人がどんなに上手に話しても，いくら頭が良くても，人間に永生を與えることが出來ず，人びとの不幸と苦しみを解決出來なければ, その人には救い主の資格がないのである．

いくら話が上手くなくとも，卽ち, 立派に演說が出來なくとも, 永生を與える人が居れば, その人は救い主であり，メシアであり，勝利者なのである．

重生=復活=救援

しかし, 今日, 聖書の眞の目的とは距離の遠い所でだれかを偶像化して，神のみ旨とは距離を隔てた所で 「神を信じる」 「聖書を信じる」 「救いを得る」 等、とんでもないものを持ち出し, とんでもない道に進んで行くのを見るとき痛嘆すること間違いない．

從って，「洗禮を受ければ救われる」  「信じます」 と答えれば救いを得るという方式の宗敎は宗敎とは言えず迷信である．

巫女たちが紙を付ければ治るとか，事物がよくなるというように巫女たちが靈に祈る儀式である 「グッ」 を行えば治るという巫俗信仰と何が違うのか．

神が，まさに人の心の中におられるので，聖書は人に 「君たちは聖靈に甦れ!」 と言ったのである．

神の話を受ければ 「聖靈に生まれ變わった」 ことになり，

聖靈に生まれ變われば 「神の中にいる」 ということになる 

もし, 神が人の中においでにならなければ，どうして，人に神に甦れと話すことが出來たであろうか? 聖靈に甦れという言葉は神に生まれ變われという言葉であるから，これは，卽ち，人が神の心を抱いて神になれという言葉である．人の心の中に神がおいでになるという事を, なぜにして分かるかと言えば，神の話は神の心であるから，神の心を抱いた者は人間ではなく神だと言ったのである．

それは，人の中に旣に神になる可能性があるので，そのように人に神の話を受けるようにと言っている．

だから，神の話を受ければ 「聖靈に生まれ變わった」 ことになり，聖靈に生まれ變われば 「神の中にいる」 ということになるので，旣に人間の假面を拔け出して神になることが, まさに聖書上の救援論なのである．

從って, 今現在の人間の心は神の心ではなく 「私」 という心を抱いているので，神になる可能性を自ら防いでいるのである．

だから 「私」 という心を抱くのではなく，神の心を抱いてこそ，救われることであり，復活であると言ったのである．

復活とは人間の復活ではなく，神の復活を言ったことであるから，もともと神であった人間が魔鬼である 「私という意識」 に閉じこめられて居ながら「私という意識」 である魔鬼獄を壞して神が再び生き返ることを指して復活であると言った．

では，今現在人の心を動かしている「私という意識」 は神ではなく，魔鬼に屬しているのである．

「自分をつねに捨てろ」 「自分を愛することが万惡の中の惡である」 という言葉は神が 「自分を捨てろ」 と懇切に賴んでおられる言葉である．神の立場で見るとき，「自分」 を愛することは魔鬼を愛することであるから, 世の中のすべての惡の中で最高の惡であると極端に言っておられる．聖書上では，惡というのはまさに魔鬼を指しているのである．

故に 「私という意識」 が魔鬼であると聖書に記錄されているので，「私自身」 が欲張っても罪になるように，「私自身」 が祈っても惡であり，「私自身」 が神を信じても罪になる．

「私」 というものが魔鬼なので，「私自身」 が祈れば魔鬼が祈ったことになるから魔鬼が答える．そのことを俗に啓示を受けた．神を見た等と戱言を言い回って行くのである．

聖書には 「あなた方は主の中で行え」 と言ったから，主·神の中で行わず私自身の中で行われたのはすべてが律法に觸れることである．*