姜甑山先生は木運と金運に先立って現れ,

次なる最後の救世主, 金運及び土運の時代を預言.

壬は水であり, 戊は土であることは

始まりと終わりを意味する關係を

表すものである.

1)金運について予示

①『大巡典經』初版第12章「化天」10節には「又, 言われるに, 私は金山寺に入って佛餉田(ぶっしょうでん：佛餉とする米をとる田)でも確保しようと.」また同章11節には「 又, 言われるに, 私は金山寺に入るから, 私に會いたければ金山寺に來なさいと.」

このように火雲先生が化天(肉體を脫ぐ)される前, 二度も重ねてお話された「金山寺」とは韓國の全羅北道金堤市金山面に所在するお寺の金山寺を言うものではなかった. 宇宙の權勢を握って好き勝手にその權勢を振り回す惡魔の目を避けて秘密裏に進行せねばならぬ神樣のお仕事であるために, 誰もが簡單に氣づくようなありのままを明白化することの出來ない神樣のご事情からそのように言わざるを得なかったのだ. したがって『大巡典經』初版第12章に示している上記の內容が暗示する本當の意味は自由の神樣が木運を經てその次に金運の人物として出現されるであろうとのことをあらかじめ予示されたことである.

②『大巡典經』初版第9章14節 「この時は天地成功時代である. 西神が司命し, 万有を宰制し, すべての道理(衆理)を集め大成(集而大成)するが, これがまさに開闢である. 万物が秋風に或は枯れ落ちることもあり, 或は成熱することもある如く, 眞の者は大きい實(碩果)を結び, その壽が長く 榮えるが, 僞りの者は枯れ落ちて永遠に滅亡するだろう.」

ここでいう「西神」とは何か？

五行に割り當てられる方角でみ ると(右側の表を參照)水＝北, 火＝南, 木＝東, 金＝西であるため「西神」とは方位としては西側に當たる神であり, 六韜三略でいう順番では「金運」として來られる人物を指す言葉である. ゆえに「西神司命」とは西神, つまり金運の人物が天の使命を擔い, 出られるとの意味になる.

したがって「この時は天地成功時代」とは「西神」である金運の時代に到ったら神樣のみ旨が成功する時代であり, 「万有を宰制し, すべての道理(衆理)を集め大成(集而大成)するが, これがまさに開闢である.」とは万事を任意的に動かせられ, 衆理, すなわち全ての宗敎の敎理および理念をまことの眞理でひとつに統合し, 變えるのでこれがつまり開闢であり, ゆえに本當の開闢は火雲時代に成るのではなく, 金運の時代が到來してから始まるという意味である.

また「万物が秋風に或は枯れ落ちることもあり, 或は成熱することもある如く, 眞の者は大きい實(碩果)を結び, その壽が長く榮えるが, 僞りの者は枯れ落ちて永遠に滅亡するだろう.(*碩果の碩は大きい, 滿ちている, 充實しているとの意味. ここでは命の果實をいう.)」

秋風, すなわち金運は「人生收穫」の使命を擔われた方なのでその時(金運の時代)にはまるで木の實が最後まで枝にぶら下がって根っこから榮養分を吸收しつつ, 成熟した實に成るように, 金運の人物に巡り會い, 眞心を盡くして修道し, 碩果(命の果實)を實り, 永遠に幸せを享受する祝福を賜る者もいれば惡魔の側についていて天のお仕事に差し障り, 永遠に地獄に落ちる不幸な者もいるという意味を表している.

「金山」は金運の方, 彌勒菩薩を表す.

 ③ 彌勒13章1節「先生が言われるに, 私は彌勒だから私に會いたければ金山彌勒を見ろよ. といい,又, 言われるに, 金山彌勒は如意珠を手に持ったが, 私は口に挾んだとされ, 下脣の內側の朱点をお見せなさった.」ここでの彌勒とは彌勒佛のことを言う. 佛典「增一阿含經」49卷非常品49には「將來之世 有佛名彌勒 出現於世(今後, 來る世に佛が出現するのだがその名を彌勒と言ふ)」と預言されており, 姜甑山先生がお話された「私に會いたければ金山の彌勒を見ろよ.」でのここの「金山」とは上記で述べてきたように「金」は金運として出現される人物のことであり, 兩方の文章から讀み取れる共通する点は金運の方が問違いなく佛敎で出現するだろうという彌勒菩薩であることがわかる.

 「金山彌勒は如意珠を手に持ったが, 私は口に挾んだとされ, 下脣の內側の朱点をお見せなさった.」とは金運の方が佛敎で待ちつつある彌勒佛であり, 如意珠とはご存じの通り手に握っていれば心に思うがまま, 何事もできる能力が生まれるという口傳のように, 彌勒佛として出現される金運の方は宇宙の全てのことを心に思うとおりできる素晴らしい能力の持ち主として出現されることを意味する內容である.

姜甑山先生が下脣の內側の朱点をお見せされたことは當時の姜甑山先生は天地を自由に動かされる能力をまだ備われておられなかったために象徵的に下の脣のなかに赤い点をお持ちになって來られたことをお見せなさったのである.この內容については佛典と格庵遺錄の數箇所に詳しく預言されている.(今後,金運編で詳細に說明する.)

2)土運の時代を予示

『大巡典經』初版第13章5節に「先生は左掌には壬の宇(壬は北方を意味する)の紋樣が, 右掌には戊の宇(戊は星を意味する)の紋樣がおありになった.」との記錄がある.これは何を意味するものなのだろう.

十干の「甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き)」を五行との配置關係をみると(中央の表を參照)水は壬癸, 火は丙丁, 木は甲乙, 金は庚辛, 土は戊己になっている.

壬は水であり, 戊は土であることは, 始まりと終わりを意味する關係を表すものである.

神樣のお仕事は水火木金土という五行の順番に沿って進行され,最後の土運の時代で終わりになることを姜甑山先生の兩手の掌に表して知らせていたのである. これらは六韜三略の順序そのものでもある.*   (次回に續く)

 原文：金白頭勝師 

 譯  ：東京祭壇 李貞馥勝師 __ tel.03(3202)9781