六韜三略1,2韜に示している龍馬河圖と神龜洛書で明らかにされているように神樣は宇宙監獄の構造とその運行原理をお搜し出され, その中に隱されている惡魔の邪惡な陰謀をお見拔きになり, そのプログラムを逆に利用してお勝ちになることができた. さらに宇宙を本來の姿に取り戾す計畵を立てられたのだが, それが2韜の下方に描かれている 「文王八卦」であることを前號で述べた(前回の圖を參照).

計畵とはその通りに實踐されなければならず, ここにきていよいよ六韜三略の3韜に進むことになる. 3韜の人物に登場された方は雅號を「水雲」とし, 天道敎を創始した崔濟愚(チェ ジェウ)先生である. 「大神師」と別稱をつけ, 大神師崔濟愚先生ともいい, 通常は水雲崔濟愚先生という.

水雲崔濟愚先生は圖「文王八卦」の①水(坎)に該當する人物である. (「勞乎坎」は最後を締めくくる⑧の意味である. 「水」は始まりと終わりの場所.)

金運時代の靑寫眞をもって出現された人物, 水雲崔濟愚. 

崔濟愚先生は40歲に生地でもある韓國慶州市龜尾山の龍潭というところで悟りを開いた. 先生の著書である『龍潭遺詞』の「龍潭歌」には「万古にない無極大道 如夢如覺 得道だね.」と書いてあるが, ここで言う「万古にない無極大道」の無極とは太極の反對語である. したがって「無極大道」とは生老病死を避けられない陰陽(太極)の世界を變えて死と苦痛のない中性(無極)の神の御國を回復していく眞の大道であるとの意味である.

崔濟愚先生は第一, 「龍潭歌」で人類の歷史上はじめて「無極大道」の言葉をもたらした. 第二,著書『東經大全』で靈符, 仙藥, 弓弓の言葉を書き記した. 第三, 「人は卽ち神樣(ハナニム)」つまり, 「人乃ち天」という思想を叫び始めた(『東經大全』 *海月神師の語錄. *海月神師は水雲崔濟愚を繼いだ東學の第2敎祖) 第四, 新しい世界の開闢(かいびゃく)を叫び始めた(『龍潭遺詞』海月神師の語錄). 第五, はじめて「不老不死」を主張された(『龍潭遺詞』).

上記の五つにまとめられた水雲の思想の脈は次なる火雲, 木運, 金運の人物達が出現することによってより具體化される. しかし, 水雲が主張していた「無極大道」「不老不死」の思想は當時にはどちらも成就されず, またなぜ人は神樣であるのかその根本たる意味をも明らかにすることが出來なかった. 實は當時にはそれが成し遂げられることも出來なければ根本たる意味も知ることは出來ない. なぜかと言えば水火木金の過程を通じて成就される神樣のプログラムの中でその當時は始まりに過ぎなかったからだ. 言い換えれば水雲崔濟愚先生の任務とは一つ, 神樣のプログラムをもって惡魔の世の中の反應を試みる役柄であり, 二つ, 六韜の最後の人物である金運の時代に完成される世界の靑寫眞をもって現れたからだ. 3韜の圖をみるとそれが正確かつ確實につかめる.

本欄の圖でわかるように右側の三韜は六韜三略中二略(3,4韜)の3韜に該當するもので先天, 後天, 中天の中で二番目の後天から「後天之先天」に該當する. 水雲に當たる三韜もやはり上·中·下三つになっている. 先述のように上段の黑白点の圖, その下方にある說明文,またその下方, 一番下段にある八卦といった全ては最後の段階で成就される世界の靑寫眞である. これについては今後金運と土運時代の記事で詳しく取り扱うことにする.

「惡魔の世界は月が落ちるように沒落する.」 

上段の黑白点になっている圖では他の「韜(とう)」とは違って圖の外郭を白点が圍んでおり, 黑点はその內側に閉じこめられている形をしている. そして圖の中心には10個の黑点が1個の大きな白点を取り圍んでいる(詳しくは土運時代の記事で說明する).

中間にある說明文をみると「十陰胞於一陽母子同居一室之形也 必有生産靈女靈子之像也 陰在內陽在外 太陰乙乙月落之意也」と書いてある. この文の解說は「10個の陰が一つの陽を取り圍んでおり, 母親と子供たちが同部屋に一緖にいる形狀だ. これは必ず靈的娘たちと靈的息子たちを生む形狀である. また陰(黑点)は內側にあり, 陽(白点)は外側にあるが, 太陰乙乙, この太陰乙乙とは惡魔および惡魔の世界を象徵する意なので, 惡魔の世界はまるで月が落ちるように沒落する.」との意味である. また下段は八卦を中心に坤(地)が上方にあり, 乾(天)が下方にある形態で周易の「地天泰卦」の形狀である. これは太平な世界, すなわち不死永生の世界になる, との意味なのだが, 水雲の時代にはなれない段階であったために成就されなかった. つまり, 上記に述べてあるように3韜全體が最後の段階で成就される靑寫眞であったからだ. ひとつ忘れてはならないことは水雲先生はご自身の弟子達にひとつの呪文を敎えてそれを常に暗記するよう强調された. その呪文とは次の「侍天主呪」をいう.

「至氣今至願爲大降 侍天主造化定 永世不忘万事知」 これを解說すれば 「この上ない氣運が今至り大いに降らんことを願う. 神樣を心にお迎えすれば造化が起きるので, 永世に万事知を忘れるな.」 という意味になる. この呪文には注目すべきことがある.①三七字(３×７＝21)とも呼ばれる21文字であること②至氣　③万事知などの言葉が出てくるが, これらの意味は現在この呪文を暗記している天道敎の信者ですらまともにわからない用語である. なぜかと言えばこの呪文には天機が隱されているからだ.

もはやこれら全ての天機は明らかになっても, いや明らかにならなければならぬ時期がやってきた. この記事の欄を讀み續ければ崔水雲先生は何のためにこの呪文を敎え, 暗記させたのか, 意圖は何か, その事柄が明確にされよう. そして今までこの呪文を暗記した經驗のある人たちや現在も暗記している人たちは呪文の眞實を知り, おそらく大きな衝擊と感動が共に引き起こるだろう.

21文字のこの呪文には六韜三略の最後の韜である「6韜」の意味が入っており, 崔水雲先生のこの呪文を通じて神樣の天のお仕事が六韜三略の戰略的順序に從い, 次つぎと出現されるべく天の人物達につながるよう配慮している.*(次回につづく)

原文：金白頭勝師

譯  ：東京祭壇 李貞馥勝師         

         03(3202)9781