文王八卦の進行順序 

文王八卦の中にある天機の進行順序について前號で述べたように六韜三略は水火木金の順序で進行される. しかし, 文王八卦には水火木金のみではないためにそれほど簡單ではない. 圖の中には＋, □, ○といった三つの進行原理が含蓄されている. まるでパズルを解いていくように格庵遺錄と六韜三略を割り符を合わせるように解いていくと天機の神妙さに感嘆を禁じえない. 一寸の誤差も許さない. 65億の地球上の人びとが打ち寄せてきて問い詰めても理路整然たる論理の正確さには異論を提議する余地がない.

上記の圖は文王八卦の中で天機が進行される順序を表したものである. ①から⑧までの順で進行するが①水(＝坎)で始まって一回りして再び水(＝坎)に戾り⑧勞乎坎で終わる.

勞乎坎の意味は, ①水＝坎で始まった神樣のお仕事が②③④⑤⑥⑦の順序を通して６千年間神樣が願って居られた三位一體の完成が成し遂げられ, 無敵將軍になられた三位一體の神樣が, 人類の中にいるすべての惡魔との戰いで勝利なさった勝ち戰に對する慰勞宴と天國を取り戾したことを祝う宴が催されるという意味である.

神樣は, 新約聖書に「わたしはアルファであり, オメガである. 最初であり, 最後である. 初めであり, 終わりである(ヨハネの默示錄22：13).」と書いてあるとおりとなる. ところがそのお祝いの宴が催される場所はどちらなのだろう.

宇宙回復の歷史が起きる場所は艮方の地(くに), 韓國 

お氣づきのように筆者は上記圖の艮方には一連番號をつけなかった.なぜかというと「艮」は, 文王八卦の中で神樣のお仕事が進行される過程を示す卦でもなければ出現すべく人物を示す卦でもなく, 固定された場所(地)であるからだ.

「艮」は, 周易で表す方位としては東北方であり, 中國の中心から見て韓國を指している(周易上の方位は上方が南であり, 下方が北である. 上方が北, 下方が南とする現在の西洋式方位とは逆). 周易の中に隱されている天の秘密の內容には艮方の地, 韓國で, 死と苦痛の現宇宙万物は終わりを迎え, また死と苦痛のない新しい宇宙万物の歷史が始まる場所であると記されている.

「艮」について周易 「說卦傳」 5章には「艮」は東北之卦也なので万物之所成終而所成始也である. ゆえに曰く成言乎艮である. (解說：「艮」とは周易上東北の方向の卦なので, 万物が終終止符を打つ場所であり, 新しく始まる場所である. ゆえに曰く 「成言乎艮」, 艮方で成就されるというのである.) となっており, 周易 「說卦傳」6章には 「終万物始万物者 莫盛乎艮するので… (解說：万物を終わらせて, 万物を始めるのに艮方より旺盛なところはない.)」 と書いてある.

格庵遺錄 「末運論」 には 「始終艮野素砂地 脫去重生變化處(解說：始まりも終わりも艮方の野原素砂の地であり, 罪人が罪の假面を脫いで變化し, 生まれ變わるところである.)」と記錄されている. したがって神樣の天のお仕事が始まり, 終わりを締めくくる素砂の地は周易上艮方の國である韓國の中でもその中心の地である.

世の中の周易を解いている人たちは周易の中のこの文章をもって宇宙の循環原理に沿って旣存の宇宙万物が艮方で終わり, 再び始まるのだと解釋している. しかし, どうして万物が他の場所はそのままにしておいて艮方でのみ終わり, また始まるのも艮方でのみなるのだろう. 彼らはその中に隱されている天機を知らないのでそのような勝手な解釋をしている. ここで万物を終えるということは死と苦痛の世界(万物)が終わりになることであり, 再び万物が始まるということは死と苦痛のない新しい世界(万物)が艮方の地, 韓國から始まると言うことである.

新約聖書ヨハネの默示錄には 「また私は, 新しい天と新しい地とを見た.以前の天と, 以前の地は過ぎ去り, もはや海もない(21：1).」との記錄があるようにこの內容とぴったり符合するものである. ゆえに天のお仕事を進行させる人物達が韓國で出現されるように計畵されていたのだ.

艮方の地, 韓國でこのような事柄の天の歷史が動いていたことに對して單に周易にのみ予言されているものではない. 舊約聖書イザヤ書41章1節~9節には東方, 地の果て(極東),地のはるかなところ(韓半島)から鐵の杖(完全なる眞理のみ言葉)をもって, 万國を治める義人が出現すると予言されている.

また, 佛典を除外するわけにはいかない. 佛典 「增一阿含經」 11卷善知識編20には 「將來之世 有佛名彌勒 出現於世 爾時國界名 鷄頭王 所治處(解說：將來この世に佛陀が彌勒の名前で出現する. この時國の名は鷄頭王が治めるところである.)」  

鷄頭王とは韓國古代國家の新羅時代の王なので今の韓國を意味する. その上,格庵遺錄には神樣のお仕事が進む地(くに)であり, すべての預言書の主人公である救世主が出現する地(くに)が韓國であるため, 場所だけではなく, いつ, どこで, 誰が, 何を, どのようにして, なぜ, といった六何原則に基づいて正確に予言されている.

曆史の中の記錄だけでも他國から900回以上に上る侵略をされつつも, その患難と苦痛の中でも國を存續させてきた民族, 累千年の恨と苦痛を通じて固まった限りのない忍耐力が血液の中に凝結されている民族, しかし, これは決して無馱な出來事ではなかった.

山川草木と天下万民を救い出せる救世主を出現させた地(くに)であり, その救世主から24年間を變わらぬお敎えを賜り, 培われ, 果てしない許しと愛をもって天下万民の救いに參加できる300名の義人がまもなくその姿を現すことになる地(くに)であるからだ. ゆえに韓國は祝福された地(くに), 艮方の地(くに)なのだ.*   (次回に續く)

原文：金白頭勝師

譯 ：東京祭壇 李貞馥勝師  

03(3202)9781