前回では宇宙監獄の秘密を暴かした龍馬河圖と神龜洛書について說明した. 宇宙監獄は太初に三位一體で居られた三方の神樣の中で惡魔に捕らわれなかった自由の神樣はこれから約5千年前伏義氏を通じて龍馬河圖を描かせ, それから8,9百年後, これから約4千1－2百年前に中國夏王朝の創始の夏禹氏(禹王)を通じて神龜洛書で明らかにされた.

この宇宙を動かしている原理には水, 火, 木, 金, 土の5つの性質に成っている氣(エネルギ-)があって互いに影響を授受しているがこれを五行という.

またこの五行の中には相生原理と相克原理がある. 互いを生み出して生命體にいい影響を與える原理を五行相生原理とし, 相手の性質を抑制し打ち滅ぼす原理を五行相克原理という.

伏義氏の龍馬河圖五行相生原理がそして夏禹氏の神龜洛書には五行相克原理が表れている.  

二韜神龜洛書の中の意味

神龜洛書は第一, 九宮圖とも言うが5方位に配置されている龍馬河圖とは違って9方位になっている. それは東西南北4方位とその間の四間方, そして中央と9方位である. 九宮とは９つの座(場所, 方位)を意味する.  第二,神龜洛書の中には相克原理が入っている. ①水克火:水の性質は火の性質を抑え消し止める. ②火克金:火の性質は金の性質を抑え金屬を熔かす. ③金克木:金(鐵)の性質は木の性質を抑え金屬製の斧や鋸は木を傷つけ, 切り倒す. ④木克土:木の性質は土の性質を抑え勝つ. ⑤土克水:土は水を堰きとめ淀ませるので水に勝つ. このように宇宙や自然の中で五行の氣運が相手の氣運を抑え滅ぼす相克原理を表している.

したがって神樣の靈(光)を捕らえ, 閉じこめておいたこの宇宙や自然の循環は, 一韜の龍馬河圖の相生原理と二韜の神龜洛書の相克原理がかみ合って回っていることを見せているものである. 龍馬河圖の中の相生圖と神龜洛書の相克圖を比べてみると龍馬河圖の相克圖は1, 6水で左側に回って相生の原理が表れる反面, 神龜洛書の相克圖は1, 6水で右側に回り相克原理を表している. ここで目を注がなければならない点は龍馬河圖の南方火, 西方金が神龜洛書では南方金, 西方火にその位置が變わっている点である.

舜王から黃河の氾濫する洪水を治めることを命じられた夏禹氏(禹王)は洛水より現れた靈龜の甲羅に描かれている神龜洛書の中の相克原理をみて水はただ土でのみ勝つことができる原理(土克水)を悟り, 土で堤防を築き治水に成功したのである.  

神龜洛書の說明文 

「二陰至八陰 一陽至九陽 陰陽相克故 分具陰陽成於兩儀之德」(陰は2陰から8陰までであり, 陽は1陽から9陽までである. 陰陽相克の原理であり,また陰陽2つの作用(兩儀之德)に分けている.) ここまでは陰陽五行相克の原理が描かれている神龜洛書の構造を說明している. その次の內容は神樣が伏義氏の龍馬河圖と夏禹氏の神龜洛書を基に2韜の文王八卦の中に宇宙回復の大なる計畵を設計し廣げておいたものを說明している.

「五陽在其中 三五十五之易數 大定設卦十五一言定 天地万物之形也」(五つの陽が中央にあり, 3, 5=15 (3×5=15)の易理數である. 神龜洛書の中に配置された黑白点の數字は橫, 從,角, どの方向からでもその三箇所の數字を合わせればその合計はすべて15(平均5+5+5)になる. 15は10と5でなっているが10は神樣を象徵する數字であり, 5は救世主を象徵する數字で三位一體の神樣が惡魔に打ち勝ち,完成なる救世主になられることを表している. そして3×5=15が1(一つ:三位一體の合一)に統合される原理をもって天の大きな計畵を定め, 卦(文王八卦)で廣げておいた. またそのような天地万物の形像(天地万物の回復の構造)を表すものである.)との意味である.

惡魔によって引き離された三方の神樣が再び本來の三位一體の神樣一つに合一される計畵が立てられたのである. そうであるならば神樣は二韜の, 一見簡單そうに見える文王八卦の中に何を, どのように計畵され, 隱して置かれたのだろうか.

 一言で言えば宇宙回復の始まりと終わり, その全體計畵が文王八卦の中に描かれている. 今日傳わっている佛典, 聖書, 周易, 六韜三略, 格庵遺錄その他東西洋全ての預言書の中の天機がこの文王八卦を基にして隱されている.(次回に續く)

        原文：金白頭勝師        譯  ：東京祭壇 李貞馥勝師       03(3202)9781