惡魔とは何か. まずこの問いに答えを求めなければならない. 聖書でいう惡魔とは, 全知全能者の神によって創造されたものと記錄されており, 一般の宗敎, 特にキリスト敎では天使が神樣を背反し, 墮落した天使が惡魔であると定義している(基督百科事典參照). キリスト敎だけではなくほとんどの宗敎では神樣は全知全能の存在で, 惡魔とは神樣に比して力が劣る, 弱い存在として說明されている. しかし, これらの內容は惡魔の實態についてあまりにも無知な話である.  しばらく佇んで考えてみよう.

 善なる神樣がなぜ惡魔を創造される必要があったのだろうか. 惡魔も神樣が創造されたのならなぜ創造主と被創造の者である惡魔は戰わねばならぬ關係になっているのだろうか. 創造主が支配されるべく本來美しきこの世は, なぜ被創造の者, 惡が橫行し, その惡の支配下に放置されているかのように見えるのだろうか. 次つぎとこのような疑問は後を絶たない。  

死の力を持つ者, 惡魔  

 韓國の豫言書「格庵遺錄」には神樣と惡魔の關係において一般の認識とは異なる實際の狀況を如實に記述している. 格庵遺錄の「桃符神人」編には, 「初めに神樣が惡魔と戰い, 敗れた」と書いてある. “天地相爭混沌時に天神負地鬼勝此然由に因して勝利者はやむを得ず天地反覆できず地上權を失い, 鬼神の世になったので......”

 これを解釋すれば “初めに神樣(天)と惡魔(地)は戰い續け混沌する中,  神樣は敗れ, 惡魔が勝った. このような理由によって神樣は宇宙を支配する權勢を失い, 現在この世は惡魔が支配する世界に變わってしまった” ということになる. まさにこれが初めの神樣の實情そのものである. 善なる神樣が惡魔を創造されるわけもなく惡魔より力も知惠も優れた存在ではないことがわかる. さらに原文の後ろの部分には「鰲天魔勢死の權」すなわち, “震天動地の惡魔の勢いが死亡の權を握っている”という意味の言葉が出てくる. これと脈を同じくする內容として新約聖書ヘブル人への手紙 2章14節に「死の力を持つ者, すなわち惡魔」とはっきりと書いてある.實に惡魔とは, 神樣に勝る勢いで全宇宙の權勢を握っているだけではなく, 地上の全ての生命體を殺す存在なのである. 

 したがって, 惡魔とは決して弱いもの, 微びたる存在ではない. 惡魔は太初の神樣に勝ち, 全宇宙を左右するだけではなく, 全ての生命體を殺せる死亡の權勢を握っており, 神樣に勝る大變恐ろしい存在なのだ.

 途方もない惡魔に敗れられ不利な立場におかれた神樣は, 惡魔を打ち破って, 再び宇宙の權勢を取り戾すためには極めて優れた戰略を立てられねばならなかった.

 孫子兵法で「知彼知己者, 百戰不殆」 敵と味方の情勢をよく知って戰えば, 何度戰っても敗れることはない. という言葉もあるように神樣は, 惡魔の能力, 力, そして惡魔の知惠, その他惡魔に關する全てのことを徹底的に調べた上で緻密な戰略を立てられたのである.

 ところが惡魔が事前にその戰略を知ったらどうなるものなのだろうか. 言うまでもなく神樣はまともに戰いも出來ず永遠に失敗者となり不幸な存在に轉じてしまうだろう. それゆえ神樣はご自身の戰略を敵が氣づかないように徹底的に秘して, 長い歲月, 惡魔に知られないように戰略通り順番を追って着實に實行しつつ, 今世紀まで來られたのである.
 

天の機密「天機」 

 聖書や佛典, 格庵遺錄など諸經典と豫言書はひとつのように神樣には秘密があると記錄している. 神樣には秘密がある. その神樣の立場と背景を察するところ次のような狀況がうかがえる.

 ひとつ, 神樣には相手がいる. 秘密というものは相手なしでは成立しないものだからだ. ２つ, その相手は敵對關係, 言い換えれば仇の關係であり, 戰爭狀態にいる. ３つ, その相手は神的存在である. 神樣が神的存在であるようにその相手も間違いなく神的存在でなければならない. ４つ, その相手は決して微びたる存在ではない. 神樣としても簡單に制壓できない强力な相手である. ５つ, 神樣に勝る相手を制壓するためには長い期間を置いて緻密な戰略を立てる必要がある. ６つ, その戰略は適切な時期が來る前まで相手に絶對に漏洩されないように隱されねばならない.

 神樣が惡魔を一匹も殘さず滅ぼすために立てられた秘密の戰略. これを天の機密といい, 「天機」という.

「天機」すなわち, 予言の正確な意味は事前には分かるものではなく事後にその意味が現れる. 物事が起きる前に人間が「天機」に氣がつき, 分かるものだったらそれはすでに「天機」とは言えない. 舊約聖書ゼカリヤ書のゼカリヤ豫言者は, 神樣の御使いが見せた幻想をみて記錄しながらもその意味が分からなくて幻想のみ旨を尋ねたとき “武力によらず, 權力によらず, ただわが靈によって(中略)知るようになる(4章6節-８節)”と神樣の御使いは答える.

  封印された神樣の秘密「天機」は人間が解こうと努力して分かるものではない. 「天機」は, 解くべしその主人公の曺熙星チュニムが導かれる勝利祭壇ではじめて眞の意味がわかる.* 

【參照】 金白頭勝師 神樣の秘密 「天機」 

  東京勝利祭壇　李貞馥勝師　          03(3202)9781